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Recommend April/May

やっと完成しました。今までで一番苦労した。
一応「人から押し付けられたミックステープほど困るものはない」という事は重々承知でこれを書いてます。

ここで紹介する11枚のディスクは、特別珍しいものでもないし、僕が発掘したアーティストという訳でもありませんが、どれも聴いて損はしない事だけは100%保証します。

是非ご一聴を。ではどうぞ。

oasisOasis
Don't Believe The Truth
<2005年 CD>

 ホワイト・ストライプスの新譜は素晴らしかった。そして、UKやニューヨークから次々と現れた新人たちも、ことごとく素晴らしかった。それでも僕は、このレコードを真っ先に祝福したい。なぜなら、僕にとっての“ロック”の原風景はビートルズでもストーンズでもディランでもなく、オアシスに他ならないからだ。
 あの時のグリーンステージでは終始やる気のなかった奴らだったけど、それでも僕は“Live Forever”に涙した。僕は、素晴らしいライヴを見る度に「やべー泣いた!!」とすぐのたまう。でも実のところライヴでホントに涙を流したのは二度だけなんだ。一度目は2001年のフジロックのオアシス、二度目は2003年のサマーソニックのレディオヘッド。涙腺が緩みかけた事は何度もあったけど、泣いたのはその二回だけだ。
 レディオヘッドは常に革新を続けるバンド。でもオアシスは1st、2ndを絶対に越えられない事を分かりながら、次の新譜に期待するバンド。でも僕(ら)はホントに彼らが戻ってくるのを待ってた。“Don't Look Back In Anger”の再来をそれと捉えている人はどう評価するか分からないけど、この『Don't Believe The Truth』は初期二作品と肩を並べる傑作だと思う。仰々しいストリングスが排除されて、シンプルなアコギ中心になった楽曲。もちろんテンションでは初期作品にはかなわないけど、それでも彼らはロックンロールという魂を取り戻したし、曲の純度は過去のキャリアで一番高いんじゃないかと思う。チンポ兄も年をとって、ビッグマウスも控えめになった。なんだか泣ける。

とにかく、コールドプレイなんか聴いてる暇があるのなら、コイツを聴くべき!


nathan michelNathan Michel
The Beast
<2005年 CD>

 これはものすごいですよ。一人でも多くの人に聴いてほしい。キャリアとしては3枚目、国内リリースは初となるネイサン・ミッシェル。HEADZの佐々木敦がそのポップセンスに惚れ込み、こうやってリリースされる運びとなった。
 このレーコードに対しては誰もが口を揃えて言う事ではあるけど、古くはブライアン・ウィルソン、それにジム・オルークと受け継がれてきた、真性のポップセンスを存分に発揮している作品。たしかにサウンドの表面はグリッチ・エレクトロニカ的な肌触りの音をまとってはいるが、ギター、ピアノ、オルガンなどキラキラした音がちりばめられまくっている。そして彼の美声。でも「フォークトロニカ」という陳腐な言葉では表現しきれないものがこの作品には詰まっている。名作。


styrofoamStyrofoam
Nothing's Lost
<2004年 CD>

 いかにもmorrという作風のStyrofoam。2ndまでは持っていて大好きだったのだけど、何故かこれはずっと聴いてなかった。
 今作はDeath Cab For Cutie、Postal Serviceのベン、レーベルメイトであるLali Punaのヴァレリー嬢などゲスト陣も豪華。エレクトロニカにネオアコ的なサウンドを用いるという今ではすっかりおなじみとなった手法をいち早く取り入れていたStyrofoamだけに、そのドリーミーでいて洗練されたなサウンドは極上。


alva notoAlva Noto + Ryuichi Sakamoto
Insen
<2005年 CD>

 現代美術アーティストでもあるカールステン・ニコライの、坂本龍一とのコラボ第二弾。
 一作目もすさまじく良い作品でしたが、今作も教授のメランコリックなピアノの旋律と、Notoのパルス的ノイズという全体を通しての雰囲気は変わっていません。多少今作はメロディックになっている部分はあるかもしれませんが。でもこの作品に関しては、その音の美しさに圧倒されるという他ないです。本当に素晴らしい作品です。


jaga jazzistJaga Jazzist
What We Must
<2005年 CD>

 10人編成という変態的ジャズ集団Jaga Jazzist。邦盤には“ジャガ・ジャジスト”と書かれていますが、北欧のバンドなので“ヤガ・ヤジスト”と読む気がしてなりません。実験的なジャズサウンド。吹き荒れる嵐のごときその音は聴くものを引き込みます。どこもでもオリジナルな作品。


teenage funclubTeenage Fanclub
Man-Made
<2005年 CD>

 トータスのジョン・マッケンタイアプロデュースによる5年ぶりの新作。今までの彼らの音楽はオルタナと共通する印象があったのだけれど、今作はジョン・マッケンタイアの仕事らしく音響的な綺麗さやアレンジの妙は過去最高。コレに関してはある意味でのオーヴァープロデュースという事で賛否両論ありそう。
 でも僕はこの透き通るような感触は大好きです。


four tetFour Tet
Everything Ecstatic
<2005年 CD>

 前作『Rounds』や、最近のレディオヘッド、SFA、ブロック・パーティなどのリミックスワークを聴いてきた人は、少なからずこのレコードの音に驚く事でしょう。もちろん僕もその一人。
 ファットなベースとブレイクビーツで始まるこのアルバムは、音楽的な幅をより持たせてはいるものの、ポップな作品に仕上がっている。難しい顔をして腕を組んで聴く音楽からフィジカルな部分で突き動かされる音に変化している。音の持つ美しさと強さを見事に両立させた作品。次のライヴが楽しみでなりません。


Mice ParadeMice Parade
Bem-Vinda Ventada
<2005年 CD>

 The Dylan Groupよりもこっちの方がメインになりつつあるアダム。Mumのクリスティーンや、原田郁子などがゲスト参加するこのレコードは今までにましてドリーミーでかわいいサウンドテクスチャを持った作品。スペイン風のクラシックギターの音を中心に置いているためか、程よい緊張感もあります。
 クリスティーンが完全に曲を自分のものにしていて、アダムとのデュエット曲がとても良いです。


Maria TaylorMaria Taylor
11:11
<2005年 CD>

 この間のBright Eyesでの前座で彼女を観た人は、きっと心に残っているのではないでしょうか。そのBright Eyesからはコナーも参加。
 フォークサウンドを基調としながらも、現代的なサウンド。上のStyrofoamがエレクトロニカ的視点でフォークミュージックに触れた音だとするのなら、彼女はフォークミュージックの方からエレクトロニカへアプローチした作品だ。インディーロックとフォークトロニカが見事に融合した快作。個人的にはBright Eyesよりも好きかも。


Little BarrieLittle Barrie
We Are Little Barrie
<2005年 CD>

 僕はオタクが作った音楽が好きなんです。この作品は50'sのロックンロールやモータウンの香りをプンプンさせながらも、随所にロック・ブルーズオタクの匂いをひしひしと感じます。
 彼らはWhite Stripesなどと比べられがちな気もするけど、僕的にはThe Go! Teamに近い感触な気がします。ある意味でノーマンクックの意思を継ぐバンド、というのが僕の印象。良いです。


radio deptThe Radio Dept
Lesser Matters
<2004年 CD>

 スウェーデンの秘蔵っ子The Radio Dept。スウェディッシュといえば現在はThe HivesやMando Diaoに代表されるガレージ勢、ちょっと前までは北欧メタルの総本山。
 でも言うても北欧なんでね。こういういいバンドもいますよそりゃあ。2曲目“Where Damage Isn't Already Done”のイントロが流れた瞬間、突然あなた目の前がキラキラ輝きだす事でしょう!シューゲイザー的なフィードバックノイズと、軽快で乾いたドラム。とにかくキラキラしたドリーミィな音が全体を埋め尽くしてます。ヤバイです。

コメント

すごい力作Recommendですな。これ読むと全部聞きたくなりますよ。StyrofoamはTVで一度見たんだけど是非聞いてみたかった。後、The Radio Dept.が紹介されているのも嬉しい!けどどこで音源見つけたんだ?本国スウェーデンでも全然音源見つからないです(泣)WEBで視聴はできるんだけどずばぬけて素晴らしい。もちろんOasisは最近のヘビーローテです。

要するにyouth groupハンパないからチェックしとけってことでいいだろ
http://www.youthgroup.com.au/
ちなみにレーベルエピタフだから

*sno氏
Styrofoamがテレビで流れるなんて事があるんですか!すごいな。
Radio Deptは本国でもそんなに売れてないんですね。僕はAmazonで買いましたよ
ラブラドールレベールって結構有名なんだと思ってた。

*お前
この文章だけで誰だかすぐ判るのはすごいな・・・。
ユースグループは確かに良かった。オリジナルはStandsと同じレーベルなんだな。

でかい音楽ストアのスウェーデン音楽コーナーで発見した…。さりげなく売れているのかも。でも基本こっちの人うるさい音楽好きだからな…。

OASISに対するレビュー良かった
スゲー良かった。

ホントに1枚目、2枚目を超えるものを待ってるよね。次回リリースでも超えるのを期待してしまうよ。

*sno氏
確か先月のクッキーシーンにストックホルムのレコ屋がたくさんある通りの名前が出てた気がします。
帰ったら見てみますね。

*せきろ
今作はホントによかったね。感動した。

それと、音楽ネタに大学の人がこんなにコメントしてくれるのはホント嬉しい事です。

まっまじで!是非とも頼む!結構いいCD屋さがすのは苦労してまして…。メタルファンが見たら涙しそうな店はあるんだけどね。

そうだ。今思いだした!!
オアシスのレビューであんだけ書いておきながら、もう一回泣いたライヴあったわ!2001年のフジでのモグワイです。
あれはヤバかった。

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